Ryan Gander(ライアン ガンダー)についてネットで学んでいます。
コンセプチュアル・アートの旗手
コンセプチュアル・アートの旗手として知られている、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)は、イギリスの現代アーティストで、彫刻、インスタレーション、絵画、パフォーマンス、映像作品など多岐にわたるメディアを用いて活動しています。1976年にイギリス、チェスターで生まれました。
彼の作品は、しばしば日常的な物事や経験を哲学的に問い直すものが多く、観客に対して複雑な視覚的および知的な経験を提供します。鑑賞者の認識を拡張するような作品を制作し続けています。現在はロンドンとサフォークを拠点に活動。
ライアン・ガンダー本人は、自分がコンセプチュアル・アーティストとして自認しておらず、強いて言うならばネオ・コンセプチュアル・アーティストだと語っています。(こちらの美術手帖の記事を参照)こちらの記事は本人が語っている貴重なインタビュー記事です。
東京オペラシティアートギャラリーにて、2021年4月17日(土)〜6月24日(木)に開催された、ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展に関連したインタビューとなっています。
「コンセプチュアル・アートというと、物質や言葉を通してアイディアを説明するわけですが、そこには感情が入り込む余地が残されていないと感じています。」コンセプトをコンセプトそのものとして表現することが目的だからです。
ロマンティシズムや絶望、喜び、悲しみ、ユーモアなど、どの感情か限定することはありませんが、私はコンセプチュアルな作品でありながら、そこに何かしらの感情が生まれることを目指して制作をします。作品を通して人に何かを問いかけたり、思考を刺激したり、本能的で先天的な感情体験へと誘いたいと考えています。
つまり、コンセプチュアル・アートはコンセプトそのものになっているから、それはライアン・ガンダーとしては違うと。アートというものは、鑑賞者の感情を動かし、人に何かを問いかけたり、思考を刺激したり、本能的で先天的な感情体験へと誘いたいと考えていると語っていることから分かるように、最終的には感情を動かす事を重要だと考えています。
主要な特徴
1.コンセプチュアルなアプローチ
ガンダーのアートはしばしば観客の認識や解釈に挑戦します。彼はしばしば物語性や意味を作品に組み込むことで、見る人に思考を促すものを作り出します。作品の一部は観客に「暗号」や「謎」を投げかけ、解釈を強く意識させることがあります。
2.物語と意味の探求
彼はしばしば、見る者に意味を探し出させるような作品を制作します。そのため、彼の作品には抽象的で夢幻的な要素が多く見られます。また、物語的な要素や、過去の出来事、空想の世界などがしばしば絡み合っています。
3.ユーモアと遊び心
作品にユーモアや遊び心を取り入れることもガンダーの特徴です。彼は、真剣なテーマや概念を扱う中でも、観客が軽やかに思考できるような要素を盛り込むことがあり、鑑賞者に対して一種の楽しさや遊び心を提供します。
4.対話と解釈の余地
ガンダーの作品は、必ずしも「答え」を提供するものではなく、むしろ観客が自ら解釈し、対話を生むことを目的としています。例えば、空間やオブジェクトを使って、見る人に問いかけをするようなインスタレーションを作ることが多いです。
5.素材について
美術作品や普段の生活に関する物事を素材に彫刻、インスタレーション、絵画、パフォーマンス、映像作品、印刷物など多岐にわたるメディアを用いて活動しています。
Artist Spotlight: Ryan Gander (8 Artworks)
ARTIST SPOTLIGHT: A selection of works by Ryan Gander (b. 1976, UK) from 2013 to 2020.
Discover more online at www.contemporaryartissue.com
ライアン・ガンダー インタビュー「アートは言葉の産物」|“Why Art?” Ryan Gander Interview
Why Artとは
「アートってなんですか?」の質問に対する百人百様の回答を収めたショートインタビューを公開。いまさら聞けない・いま知りたい・私たちの身近にある「アート」を明らかにしていきます。
WHAT ARTIST INTERVIEW ライアンガンダー Ryan Gander
第17回は、大林コレクション展「Self-History」
出展アーティストであるライアン・ガンダー氏へのインタビューです。
企画・制作: WHAT MUSEUM
聞き手:中橋アレキサンダー(展覧会企画担当)
撮影・編集:河内 彩
Alchemy Box(錬金術の箱)
Pen onlineの記事にライアン・ガンダーのAlchemy Box(錬金術の箱)に関する解説があります。インテリアデザイナーでありコレクターの片山正通さんのコレクションの展覧会に関するインタビュー記事ですが、ライアン・ガンダーのAlchemy Box(錬金術の箱)について解説してくださっています。
https://www.pen-online.jp/article/000671.html
個展・展覧会
2011年 第54回ヴェネチア・ビエンナーレ(2011)参加
2011年 個展「墜ちるイカロス 失われた展覧会」(東京・メゾンエルメス)
2011年 ヨコハマトリエンナーレ
2012年 ドクメンタ(13) フリデチアヌム美術館のメイン展示室にて、展示室の中を吹き抜ける「風」を作品化しインスタレーションを発表し注目を集める
2012年 第9回上海ビエンナーレ
2013年 個展「Make every show like it’s your last」は、20113年から2016年にかけて、ヨーロッパ、アメリカ大陸巡回
2016年 岡山芸術交流2016などにも参加。
2017年 個展「この翼は飛ぶためのものではない」(2017年4月29日(土)―7月2日(日)国立国際美術館)
2017年 美術館のコレクションを活用した「ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 かつてない素晴らしい物語」(会期: 2017年4月29日(土)―7月2日(日)国立国際美術館)
ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない
ライアン・ガンダーは、1976年イギリスに生まれ、母国とオランダで美術を学び、2000年代初頭から世界各地で個展を開催するとともにドクメンタなど著名な展覧会にも参加してきました。この芸術家の仕事は、美術作品や普段の生活で遭遇する物事を素材として、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像、印刷物などを制作するもので、多彩であり既成の型にはまっていません。
ガンダーの芸術観は、作品だけではなく、作品にまつわる思考をも重視する点に特徴があり、作品は、鑑賞者の想像力を活性化し、新たな思考回路を生み出し、物事の認識を拡張してくれます。制作の背後には、美術全般についての考察、見ることについての洞察、日常経験の分析など、知的な思考が満ちています。
手法は、意外なものの結合、架空の状況の設定、情報の部分的な隠蔽、ユーモアの導入、過去と未来への誘導など、一風変わっているようでありながら、理にかない示唆に富んでいます。
本展は、新しいコンセプチュアル・アートの旗手と目される芸術家ライアン・ガンダーの重要作と新作約60点による個展です。タイトルが謎めいているように、展覧会は未知の世界へ誘ってくれるでしょう。
同時にガンダーの企画による所蔵作品展(『ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語』/”The Greatest Story Ever Told ―The Collection curated by Ryan Gander”)も開催します。
比較して考えるという人間の本能的な能力を前提にして、所蔵品を多数のペアとして紹介しますが、類似に基づきながらもジャンルや時代が異なるため、新鮮な観点を提供してくれるでしょう。全館を使用するこの展覧会は、私たちに視覚芸術の可能性を実感させてくれるに違いありません。
国立国際美術館|ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない
ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語
比較して考えるという人間の能力を前提にして、当館の所蔵作品をペアとして紹介します。類似に基づきながらもジャンルや時代が異なる多数のペアは、新鮮な観点を提供してくれるとともに、現代の作品が個人の才能に依存するのではなく、共有されている知識を背景としていることを、明らかにしてくれるでしょう。
国立国際美術館|ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語
ライアン・ガンダー われらの時代のサイン
身近な事柄を鋭く観察・分析して作品を制作するライアン・ガンダー。2017年国立国際美術館(大阪)以来、東京ではじめての個展となる、東京オペラシティアートギャラリーでの展覧会にあわせた作品集です。
オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像など多岐にわたる幅広い制作活動に一貫しているのが、「見る」ということへの考察です。私たちが普段見過ごしていること、あたりまえと片付けてしまっていること、それすら忘れていることへの注目をうながし、さまざまな問いを抱かせます。
新旧さまざまな作品を組み合わせながら、ひとつの作品として創り上げられる展覧会に沿って構成される本書には、ガンダーが制作活動の初期から持ち続けてきた関心 ── 時間、お金・価値、教育、よく見ないと見えないもの ── が俎上にあげられています。私たち誰にとっても大切なものごとの本質とは? まじめに、少しばかりのユーモアを交えて「そもそも」を考えるガンダーの世界を、頭を柔らかくして読み解いてください。そこでは、私たちの生きる今という時代のサインがそれぞれに見えてくるはずです。
展覧会出品作品のほか、ライアンから届いたさまざまなアイデアによるインターバルのスケッチが挟み込まれていたり、昨年開催された「ガンダーが選ぶ収蔵品展」の展示風景と作品情報も収録した、見どころ、読みどころ満載の一冊です。
野村しのぶ(東京オペラシティ アートギャラリー シニア・キュレーター)、青木淳(建築家)による論考も収録。
カバーには、今井智己撮影による展示風景をレイアウト、展開するとB2変形ポスターになる特殊仕様。
https://amzn.to/3DeWdLL
参考
ライアン・ガンダー 「Explorers vs Pioneers」 | TARO NASU
Instagram(ryanjgander)
もし、あと3日しか生きられないとしたら?「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」
美術手帖:ライアン・ガンダーが問いかける、「あなたは何に注目しているのか?」
最終更新日: